寝る子は育つ？

ブログにも書いたが、最近yukiは眠りの国の住民である。
とにかく、眠い。
ここ数日しっかり１０時間以上は寝ているというのに、昼間も、暇と場所さえあれば何度でも仮眠をとってしまう有様。
一日のうち、間違いなく睡眠時間が起床時間を上回り、「寝る」「食べる」「弾く」の３つの行動を、霞のかかったような朦朧とした意識の中ふらふらと繰り返している……とこれは改めて文章にしてみても非常に重症ではないか。

周りの友人らに、一体どうしたらよいものかと相談をもちかけてみるのだが、答えは揃って同じ。
「えー良かったじゃーん」

というのには訳がある。
実を言うと、私は数年前から不眠症もどきに悩まされており、最近ではひどいことに一日２、３時間寝るのが精一杯という状態だったのだ。
どんなに疲れ果てていても、朝５時に小鳥がぴちゅぴちゅと鳴き始めるのを聞くと、まるで暗示がかかったようにしゃきんと目覚めてしまう。
たとえそれがまるまる二日間の徹夜直後であっても、前の晩布団に入ったのがam４時１５分だったとしても、である。

それゆえ最近では、朝起きてまず時計を見るという何気ない行為すら、私にとってはまるで入学試験の合格発表さながらの緊張感を伴うものであった。

朝起きる。すぐに時計を見たりはしない。
まず光の具合を確かめ、それから小鳥の鳴き声に耳を澄ませる。
「お、今日はけっこういい線いってるんではないだろうか」
湧き上がる期待感をぐっとおさえ、頭の冴え具合や胃の消化具合を慎重に確認する。
そして今までの情報から現在時刻を推察し、ようやく自らに問いかけるのだ。
……ファイナルアンサー？

そうやって目にしたデジタル時計の、am4時という悪魔のような表示。
「……残念！」
みのもんた（たまにギター侍）の声が脳裏にこだまし、がっくりとうなだれる。
私のこのやるせなさ、情けなさといったら！
おそらくこれは経験者でなくては分からぬ類のものであろう。

今日はもうこんなに明るいし、絶対に６時は過ぎていると思ったのに！！
日を長くして私をぬか喜びさせるなんて、サマータイムの馬鹿アホ間抜けのどてかぼちゃ～～！
と、ぶつけようのない怒りに身を震わせ、しかしこんな早朝に暴れると近所迷惑極まりないので、おとなしくそろそろと居間に移動し、仕方なくパソコンの電源を入れる。
メッセンジャーにサインインし、当然のようにヨーロッパ在住の友人は（ほぼ）ひとりもいないのを見て、
「ふふ、みんなぐっすり寝てるんだろうな～～☆」
と自嘲の笑みを漏らし、
「あれー。まだ起きてるの～？はやく寝なよー」
などという、日本の友人からの能天気な発言に
「違うよ～。今起きたんだよ！yukiは早起きナノダ＾＾♪」
などと返事を打ちながら、こめかみはぷるぷると痙攣してくる始末（うそうそ　笑）

とにかく、いかにして一分でも多く眠るか、という問題と、常に隣り合わせの私の人生であった（大袈裟。

と、なんだか長くなってしまったが、そんなこんなで睡眠とは無縁の人であった私が、ここ数日眠りこけているというのは本当に驚くべき事態なのである。
「きっと、今までの睡眠不足を体が自然と補ってるんじゃないの？」
友人の言葉に、そうか、なるほど！と納得し、
「眠れる時に寝貯めしときなよ！」
というありがたいアドバイスに素直に従ってきたが、
昨日あたりから「これは人間としていけないのでは」という焦燥感がむくむくと膨らみ、とうとうそれは睡眠の幸福感を上回るまでに膨張してしまった。

寝られない事は非常に由々しき問題であるが、いったん開き直ってしまえば「フリーな時間が人より多くある」というメリットを持っている。
そして現実に、その余った時間のお陰で私はHPを作ることを思い立ち、今の今まで運営してくることが出来た。
さらに早朝の爽やかな空気の中、本を読んだりエッセイを書いたり、電子ピアノで譜読みをしてみたり、それらの行為がそれなりに有意義であったことは否定できないのだから、眠れなかったことをあながち不幸だったとは言い切れないのだ。

しかし眠りこけているこの現状はどうか。
一日がおそろしく短く、寝坊するため予定は狂いまくり、食っちゃ寝のおかげでダイエットは台無し、更に睡眠をとった事でしゃきっとするどころかかえって眠くなる…のだからまるで救いようがない。

一体どうしたらこの眠りの泥沼から這い出せるのだろうと悩み、悩むあまり不眠症に陥りそうだわ、いや、むしろ陥ってくれたらどんなに気が楽か、と思い、しかしそう思いつつももう体半分がふらふらとベッドルームへ引き寄せられている、現在時刻ｐｍ７時２５分。