レッツ★カラフル [エッセイ]
ヘンテコな夢を見た。
友達と遊ぶ約束をして、家を出た私。
道行く人々を見て、思わずぎゃっと声をあげそうになる。
ピンク色の顔をした老婆が前から歩いてきたかと思えば、自転車で私を追い抜いていく少女の頬は真みどりに染まり、向こうから近づいてくる若者3人組に至っては、信号さながらになんとも鮮やかな赤黄青なのだ。
普段から様々な国籍、人種が行き交うこの界隈とはいえ、これは尋常ではない。
一体全体どうしてしまったのかと驚愕し、それでもとりあえず待ち合わせ場所に行かねばと思う。
チューリップ畑のような人々の波をかいくぐり、不安で泣き出しそうになりながらも歩みを進める。
やっとこさ到着した待ち合わせのデパート前、見つけた友人の懐かしい姿。
しかしほっとしたのも束の間、私はうぎゃあと叫び、思わず後ろへと飛び退いた。
こちらを振り向いた彼女の顔ときたらカキ氷のシロップそのもの、誰よりも色鮮やかなメロン色なのだ!!
ショックで口の聞けない私。
そんな私を尻目に、彼女はバックからファンデーションのパクトを取り出し、おもむろに化粧なおしを始める。
ますます鮮やかに、緑に染まってゆく彼女の肌。
みるみる青ざめていく私に、彼女の得意気な一言が投げかけられる。
「青も悪くないけどやっぱさ、今年の春は緑が可愛いって」
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